« 2017年京都府内公立小中学校、「学校司書」配置状況 | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館 2017年後半 »

2018年3月11日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊 2018年3月

『ある小さなスズメの記録
 ~人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯』 
   クレア・キップス:文 梨木香歩:訳 文春文庫 2015 文藝春秋
 第二次世界大戦下のイギリス。足と翼に欠陥があるため親に見放され、巣から放り出された雀の雛が、ピアニストであるキップス夫人に拾われた。奇跡的に命拾いをした雀(クラレンスと命名された)は、キップス夫人に愛情深く育てられ、驚くことにちょっとした芸を覚え、独特のさえずりを獲得する。防空監視員の仕事をしていた著者によって、クラレンスの芸と歌は人びとに披露され、戦中に敵機襲来に怯える人々の小さな慰めとなっていく。
 本書は特異な才能を開花させたクラレンスとキップス夫人が共に暮らした12年間の実録。小さくて、傷ついた存在が、賢く、気高く生きぬく様子は感動的である。
                                        (YS)

『謎の独立国家ソマリランド
 ~そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』 
   高野秀行 集英社文庫 2017 集英社
 寡聞にして、私はその国の存在さえ知らなかった。しかも、国家体制が崩壊しているソマリアの中で奇跡的に平和を達成しているという。アフリカ最大級の謎である!辺境探検、異文化体験の著作を専らにする著者が、その謎に着目し、真相を確かめるべく世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。
 実は、ソマリ人は傲慢で、いい加減で、荒っぽく、弱肉強食社会で、平和主義とはほど遠いのだが、平和が維持されている鍵は、氏族間の関係という内部事情と、海賊国家プントランドと戦国状態のソマリアに隣接するという外部事情にあるらしい。覚醒植物カートに翻弄され、海賊やイスラム過激派に狙われるという体験をしながら書き上げた著者渾身のルポルタージュ。読み手はあたらしい発見に幻覚される。
                                       (YS)

|

« 2017年京都府内公立小中学校、「学校司書」配置状況 | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館 2017年後半 »

お薦めの本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1505932/73084861

この記事へのトラックバック一覧です: 司書子さん☆今月の一冊二冊 2018年3月:

« 2017年京都府内公立小中学校、「学校司書」配置状況 | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館 2017年後半 »