« 「第7回 京都の学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい」 | トップページ | 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 12月 »

2016年11月 6日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 10月

司書子さんメンバーが思い思いのお薦めの本を紹介します。輪番で執筆します。

『ぼくは君たちを憎まないことにした』 
          アントワーヌ・レリス【著】   

            ポプラ社 2016/6   1,200円(本体) 

 
 2015年11月のパリ同時多発テロ事件で最愛の妻を失い、一歳半の息子と二人で残されたジャーナリストは、フェイスブック上でテロリストたちに宛てた手紙を公開した。
 「君たちが誰なのかをぼくは知らないし、知ろうとも思わない。(中略)ぼくは君たちに憎しみを贈ることはしない。君たちはそれが目的なのかもしれないが、憎悪に怒りで応じることは、君たちと同じ無知に陥ることになるから。」
 テロリストへの手紙を含む二週間の手記。深い喪失感の中で、幼い息子の日常が日々の生活を、人生を支える糧になっている。息子の笑い声で締めくくられたラストがぎゅっと胸をつかむ。   (C)

 『二番目の悪者』
          林大林【作】・庄野ナホコ【絵】
            ちいさい書房 2014/11  1,400円(本体)

 悪意のない噂、真実を確かめない安易な「拡散」、おかしいと思っても自己防衛のため見て見ぬふり……。
 私たち人間は、ソレがどんな結果をもたらすか、歴史の中でイヤというほど経験してきたはずなのに、悲しい出来事は世の中からなくならない。
 「自分は人の道に外れたことは絶対にしない!」と胸を張る人の心にも、「二番目の悪者」はきっと潜んでいる。私の中にも潜んでいる。
 悪意もないが責任感もない、世界の何十億という「二番目の悪者」に贈る風刺絵本。「二番目の悪者」が絶滅すれば、世界はきっと、本当に平和になる。   (C)


『玉妖綺譚』(創元推理文庫)
          真園めぐみ著 
            東京創元社

 
 明治時代の日本を思わせる、皇国大和の首都・櫂都が舞台。ファンタジーとあって、人間の住む世界とは別に妖たちが住む“異界”というものが隣り合うように存在する。時折人間の世界にやってきて悪さをする彼らを倒す人間も存在し“驅妖師”と呼ばれている。
その“驅妖師”を目指す見習いの少女彩音が本作の主人公。命の危険もある仕事をこなす彼女の強力な相棒くろがねは、竜卵石という特別な石に宿った“玉妖”と呼ばれる精霊。たぐい稀な存在である彼らは、時に人を破滅させるほどの美しい容姿と強力な力を持つ。
実は彩音の姉百合乃も魅了された一人で、玉妖と添い遂げることを選び長い眠りについている。唯一の家族である百合乃を失いつつある彩音は、姉を助けようと無愛想な相棒とともに解決方法を探すが、最後の手段は姉が愛する玉妖を倒すことで…。
妖とも人間ともつかない玉妖の存在が幻想的な作品。主人公のこれからの成長も気になる和風ファンタジーです。   (H)

|

« 「第7回 京都の学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい」 | トップページ | 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 12月 »

お薦めの本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1505932/68280044

この記事へのトラックバック一覧です: 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 10月:

« 「第7回 京都の学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどい」 | トップページ | 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 12月 »