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2016年9月 4日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年 9月


『おとめの流儀。』 小嶋 陽太郎 ポプラ社 1500円 2015.11

 中学に入学したさと子はなぎなた部に入部するが、部員は2年生の朝子1人だけ。なんとか4人の1年生が入部し、廃部はまぬがれたが、さと子以外の1年生は、なぎなたは初めて。なのに、朝子は初心者の彼らにとんでもない試合をすることを宣言する。
 部長の朝子がかなりヘンな人で、面白い。他の部員たちもなぎなたを通して、苦しんだり楽しんだり悩んだりしながら成長していく姿が描かれています。試合のシーンは息詰まる描写で、自分も試合に臨んでいるような気になります。部活動以外に、さと子と公園のホームレスのおじさんとの交流、家族の問題も描かれています。おじさんの正体は?いないと母から聞かされていた父親は実は生きているとわかりますが、どんな人で、会うことができるのでしょうか。(E)








『帰ってきたヒトラー 上・下』ティムール・ヴェルメシュ著 (河出文庫) 各 640円 2016.04


 2011年8月、ベルリンの道端で突然ヒトラーは目覚めた。まわりの人間は彼のことをヒトラーそっくりの芸人だと思い込み、彼の(大まじめな)発言すべてを強烈なブラックジョークだと解釈する。勘違いが勘違いを呼び、彼はテレビのコメディ番組やYouTubeで大受けして人気者になり、次第に政治の世界に近づいていく…。最初は昔人間ヒトラーのズレッぷりとそれを誤解する周りの反応がおかしくて笑えるのだが、常に真摯で自信に満ち、ある面では心優しくさえある彼の主張を「まあ一理あるかも…」と思い始めている自分に気づいて、だんだん落ち着かなくなる。現実のヒトラーだって最初は選挙で選ばれた。人々は「魅力的で説得力ある」彼を熱狂的に支持したのだ。「ヒトラー」の再来は想像よりずっとたやすいことなんだ…と実感させられる、面白くて怖い小説。映画もお薦めです!(T)

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