« 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年5月 プラス・・・ | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館:2016年6月 »

2016年6月26日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年6月

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年6月




『ヒーロー!』 白岩玄著 河出書房新社 2016年刊 1400円(税別)
 それは、大仏のマスクをかぶって昼休みにグランドでパフォーマンスをするという、極めて奇抜なアイデアだった。なぜそんなことをするのか-いじめをなくすため、というこれまた奇想天外な動機である。
戦隊ヒーロー大好きの高校2年生・新島英雄は、学校の平和を実現するため「素敵な解決方法」を思いつき、演劇部員・佐古鈴に協力を依頼する。意外にも新島のダンスはキレもセンスよく佐古の演出も冴えて、大仏マスクパフォーマンスは成功するかに見えた。しかし、佐古の親友・小峰玲花が別のユニットを結成してパフォーマンスに参入してくるや、展開も奇妙奇天烈となる。 さて、学校からいじめはなくなったのか!?結末やいかに?『野ブタをプロデュース』同様、白岩玄さんの学園ものは絶妙です。(さ)


『ヨーコさんの“言葉”』 佐野洋子 文 北村裕花 絵  講談社 2016年刊
物の見方は、尺度や座標軸のおきかたで全く違ってくる。
ヨーコさんの尺度は柔軟で、考え方は痛快である。そして妙に納得出来る。利便性や合理性を追求する世の流れに「せめてこれ以上、誰も何も考えないで」、根拠とか意味とか真実とかを求めがちな人間の性(さが)に「朝、目が覚めたら、風の吹くままに」と軽ろやかにいなす。そして夭逝した兄を想い、絵本『100万回生きたねこ』を書いていた時の自分の心情を、そっと見つめ直すヨーコさん・・・。北村さんの描く人物はリアルで、ヨーコさんは今も元気で日々独自な言葉を吐いているように思える。  ―これは某局の番組を本にしたものです。現在、既刊2冊。(さ)




 



『なでし子物語』伊吹有喜著  
                ポプラ文庫 2014年  

 母に捨てられ、亡き父方の祖父に引き取られた少女燿子。いじめにあい、いつも自分に自信がもてず苦しんでいます。そんな彼女が祖父の住む山深い峰雄の地で出会ったのが、立海という少年です。地元の富豪遠藤家の当主と驚くほど若い後妻の間に生まれた立海。家柄や複雑な家庭環境故に悩み、いじめにもあい、苦しんでいます。そしてもうひとり、遠藤家の当主の息子であった夫に先立たれ、居所を失って思い出の中に生きる未亡人照子。この3人が出会ったことで、静かにそれぞれの人生が動いていきます。   遠藤家のお坊ちゃんである立海と遠藤家の使用人の孫である燿子。お互いをヨウヨ、リュウカくんと呼び合い、身分の違いを超えて支えあう二人。苦しみを乗り越えようとけなげに生きる小さなふたりの姿は時にほほえましく、時に切なくていとおしくてたまらなくなります。  立海の家庭教師青井さんは、燿子の生きづらさの原因を見抜き、的確なアドバイスで燿子を導いてくれます。自立と自律についての彼女の言葉は心に残ります。何もできない子どもだった燿子が少しずつ自信をつけ成長していく姿に胸が熱くなります。(E)

|

« 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年5月 プラス・・・ | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館:2016年6月 »

お薦めの本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1505932/66216686

この記事へのトラックバック一覧です: 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年6月:

« 司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年5月 プラス・・・ | トップページ | 今月のししょこさん’S図書館:2016年6月 »