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2016年3月 6日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年2月

司書子さん☆今月の一冊二冊 2016年2月

むしのほん』  エドワード・ゴーリー作  柴田 元幸訳  河出書房新社  2014年刊


蟲の神』  エドワード・ゴーリー作  柴田 元幸訳  河出書房新社  2014年刊

エドワード・ゴーリーの『むしのほん』『蟲の神』という絵本を紹介します。

彼の絵は黒一色で線の多いのが特徴ですが、ごく初期の『むしのほん』は線が単純でむしに赤・黄・緑の色がついています。そのカラフルなむしたちが、真っ黒な邪悪なむしをやっつけるという単純なお話です。でも、彼の話がそんな単純な話のはずはないのだが……。もう片方の『蟲の神』は彼の特徴をよく表し黒一色の絵本です。誘拐された子どもの話で、言うことを聞かないとひどい目にあうという教訓的な話ですが、彼がそんな作品を書くはずがないとしたらその真意はどこにあるのでしょうか。さて、かわいらしげな『むしのほん』、おどろおどろしい『蟲の神』、あなたはどちらが怖いと思いますか。(み)

『虫の虫』 養老孟司著 廣済堂出版 2015年刊
もう一冊は、養老猛さんの『虫の虫

。養老猛といえば、解剖学者で『バカの壁』など脳に関する本を多数書き、テレビにも出ている有名人ですが、超がつく虫好きです。彼の虫に関するエッセイとラオスでの虫採りのお話の本です。虫が嫌いな人は絶対読めない本だと思います。虫が好きな人、ちょっと興味がある人ぜひ読んでみてください。前半のインドア編は、屁理屈をこねまわしている部分もあるが、後半のアウトドア編「ラオスで虫採り」はとってもおもしろいです。

『心にナイフをしのばせて』奥野修司著 文藝春秋 (文春文庫版は2009年刊)

 少年Aの某書を読むよりも、この本を読む方がずっと自分のためになる、と思います。

 神戸連続児童殺傷事件の28年前に、高一の少年が起こした残忍な殺人事件。著者は丹念に事件を調べ、被害者家族の人生を追いかけています。同級生に息子(兄)を殺された被害者遺族の心の傷は深く、理不尽な思いばかりが募り、読後も納得できない思いだけが残ります。犯罪を――殺人を――犯す、ということが、遺された人たちをどれだけ苦しめるのかということを知ってほしい。被害者遺族の心を癒やすことができるのは、犯した罪を心から悔い、罪を償う気持ちを抱いてくれることだけなのかもしれません。それができないなら、更正したとは言えないのではないでしょうか。
 私は単行本で読んだのですが(文庫化もされています)、2006年の刊行当時から被害者家族の救済に関してはわずかしか進んでいないのでは?という気がします。誰もが納得できる救いを得られることを願ってやみません。(よ)

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