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2014年6月 4日 (水)

司書子さん☆今月の一冊二冊

司書子さん☆今月の一冊二冊2014年5月分

司書子さんメンバーが思い思いのお薦めの本を紹介します。輪番で執筆します。

『さようなら、オレンジ』 岩城けい著 筑摩書房刊 1,404円
2013年の太宰治賞を受賞し、2014年の芥川賞と本屋大賞の候補にもなった話題の本。オーストラリアという土地でたまたま出会ったアフリカ難民のサリマと、日本人のサユリの成長と心の交流を描いた感動作です。同じ時代を生きながら、生まれた国が違うだけでこんなにも生きてきた背景が違うのかということにまず驚かされますが、異国の地で必死で生きる女性たちの強さと、優しさが心に沁みました。著者はオーストラリア在住の方で、異国の地でこんな美しい日本語の物語がつむがれていたことにも驚かされました。何度でもくりかえし読みたくなる本です。(A)
 
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』 
坪田信貴著 角川書店刊 1,620円
金髪ギャルが、一人の教師との出会いで、偏差値30を70に上げ、学年ビリの状態から慶応大学に現役合格するまでを描いた本当の話。金髪ギャルさやかちゃんは、坪田先生の塾に来た2年の夏、聖徳太子をセイトクタコと読み、日本列島を○ひとつで描きます。そんなさやかちゃんの素直さを直観した坪田先生とさやかちゃんは、二人三脚で学力を伸ばしていきます。お話も面白いですが、坪田先生お薦めの効率的な勉強法や目標の立て方、計画の立て方など、役に立つ情報も満載です。この本を読んで、購入を迷っていた『漫画日本の歴史』を入れようと決意しました。(A)

『ナガサキ 消えたもう一つの「原爆ドーム」 』 高瀬毅著 文藝春秋(文春文庫) 
2013年7月刊  ¥419+税
 この本の初版は2009年に平凡社から出版された単行本です。2010年の全国学校図書館協議会・第43回「夏休みの本(緑陰図書)」高等学校の部に選定されました。昨夏の文庫化にあたって東日本大震災の被災遺構や福島第一原発事故についての見解、「核の平和利用」についての新資料による記述が補記されています。
  この本ではまず、広島の「原爆ドーム」のような象徴的な被爆遺構が長崎にはなぜないのか?という疑問が呈されます。たしかに私自身の脳内をさぐってみても、「広島・原爆」ということばから一番に頭に浮かぶイメージは原爆ドームなのに、長崎の場合は平和祈念像です。この違いは何でしょう?
 この本によると、実は浦上天主堂の、破壊された聖堂や焼け焦げた聖人像が遺跡として保存されるはずだったのだそうです。浦上天主堂は長崎のキリスト教徒~隠れキリシタンだった人たちが、明治時代に禁教が解かれたのち、死に物狂いで建立した教会でした。それは原爆で大破したけれども、まったく消失したわけではなく、残すべき遺構がたくさんあったのだそうです。それがなぜ早々と取り壊され再建されたのでしょうか?そこにはある疑惑が渦巻いていて・・・。夏を前にぜひ読んでほしいノンフィクションです。(C)

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