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2013年10月20日 (日)

司書子さん☆今月の一冊二冊

司書子さん☆今月の一冊二冊

司書子さんメンバーが思い思いのお薦めの本を紹介します。輪番で執筆します。

『○に近い△を生きる;「正論」や「正解」にだまされるな 

  鎌田 實著 ポプラ社刊

「がんばらない」などのエッセイでおなじみの鎌田先生の作品。新しく創刊されたポプラ新書の第一弾。

副題にあるように今現在世の中で言われている「正しさ」の息苦しさに対して少し目線をずらすよう促したもの。鎌田さんは「別解」と名づけて、それを探していくことを提唱されている。その「別解」は一つではなくたくさんあり、その中で○(正解)に近い△(別解)を見つけようと言っている。
 高度経済成長の頃、「がんばれば幸せになる」と言う正解があった。その正解にとらわれた結果、現在息苦しさを感じる人が増えている。そして、自分よりも弱い人たちを攻め続けその行動に自分の居場所を見つけ、そこで自分自身を肯定する人が増えているように感じる。ヘイト・スピーチなどその典型であると思う。ただ一つの正解にとらわれるよりも、その周りにたくさんある△を探すほうがずっと自由で楽しい。
 最近、道徳を教科にすると言われている。「教科」ということは教科書を使って教え、それに成績をつけることになる。それは一つの正解を教えることになり、教える側の思いに沿うことが生徒に要求されることになるような気がする。同じ考えを持つ人だけで構成される社会はとても怖い。自分と違う考えを持つ人を認めることによって自分自身も認められていくこと。私たちの中にある数多くの△をお互いに認めていける社会はとても自由で輝いている。(A)

『エンジェルフライト』 佐々 涼子著 集英社刊

 国際霊柩送還士という仕事があります。海外滞在中に不慮の事故や急病などによって亡くなった人を、棺に納めて日本に送り届ける仕事をする人たちのことです。
 事故や事件に巻き込まれて亡くなった遺体は損傷が激しかったり、防腐処置のまずさから安置期間が長くなると傷みが出たりして、そのまま遺族に渡すのはしのびない時もあるそうです。
 そこで彼らは遺体修復をほどこし、元気で明るくやさしかった生前の姿にできるだけ戻して、日本で待つ遺族に届けるのです。突然大切な家族を失ってしまった遺族の気持ちを思いやった、本当に心意気の仕事です。大変タフな精神力を求められる仕事ですが、人の最期を整えるというのは、残された遺族に救いをもたらすことなのだと思いました。(M)

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